チタンの魅力とはじまり

「 チタン 」という素材をご存知であろうか。
航空宇宙産業や、身近なメガネのフレーム、マグカップやアウトドア用品。
名前を耳にしたことはあっても、その本質を知る人は多くない。
titanium / チタンとは、
元素記号【 Ti 】で表される金属。
その名を与えられたのは、1795年。
ドイツの科学者マルティン・ハインリヒ・クラプロートが、ギリシャ神話の巨神「タイタン」にちなんで命名した。
しかし、純粋なチタンを取り出すのは長らく不可能とされ、初めて純度99.9%の金属チタンが抽出されたのは、それからおよそ100年後、1910年のこと。
そうして姿を現した「チタン」は、他の金属にはない魅力を秘めていた。
軽やかさと強さを併せ持つ金属
チタンの大きな魅力は、その「軽さ」
手に取った瞬間、多くの人が「 軽い 」と驚く。
重厚感がある見た目に反して、実際はとても軽やか。
その軽さは、鉄やステンレスの60%ほど。
長時間、身につけても負担にならず存在感を忘れるほどの心地よさを与えてくれる。
変わらない美しさを保つ耐食性
チタンのもう一つの魅力は「耐食性」
チタンは、鉄や銅よりもずっとサビに強く、
海水や汗といった過酷な環境にも耐える。
汗ばむ夏の日、スポーツやアウトドアのシーン
どれだけアクティブに過ごしても、チタンは変わらない美しさを保ち続けるのだ。
また半永久的に劣化しにくく、リサイクル性にも優れている。
身体に調和する生体適合性
さらにチタンは「生体適合性」にも優れている。
チタンは体にとって異物とみなされにくく、骨や組織と結びつきやすい、
この性質から人工骨やインプラントなど、医療分野でも広く活躍している。
また、金属アレルギーの大きな原因とされる金属イオンも
チタンの表面にある酸化膜が溶出を防ぎ、金属アレルギーも起こしにくい。
つまりチタンは、科学的にも安定していて、人体と共存できる稀有な存在なのだ。
職人の挑戦が生む価値
だが、チタンは容易な金属ではない。
強度が高いがゆえに加工には高度な技術と経験が欠かせない。
ひとつの作品が形になるまでには、知恵と技術、そして情熱が注ぎ込まれてる。
だからこそ、チタン製品には「挑戦の軌跡」が刻まれているのだ。
軽く、強く、サビにくく、身体に優しい。
「身体と調和するために選ばれた金属」
加工の難しさから誰もが、諦めていたが私たちはあえて挑むことにした。
未知を切り拓くように、チタンを「ジュエリー」という新たな舞台へ。
新しい選択肢として「チタン」を。
「チタン」は、いま、ジュエリーになろうとしている。
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